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ステラルーメン(XLM)の送金手数料は、暗号資産の中でも最安クラスです。ネットワークが課す基本手数料は1オペレーションあたり100 stroop、つまり0.00001 XLMで、通常の送金は1オペレーションで済みます。XLMの送金にかかる時間はどうかというと、Stellarのレジャーは約5秒で確定し、トランザクションが確定済みのレジャーに入った時点でもう取り消されることはありません。6回の承認を待つ必要も、「保留中」のまま待たされることもありません。
ステラルーメンを送るために押さえるべきポイントは4つです。残高のあるウォレット、正しいアドレス、受取人が取引所ならメモ、そして自分のアカウントに最低1 XLMを残すことです。このガイドでは、入金が行方不明になってから初めて気づく人が多い点も含めて、1つずつ解説します。上の手数料シミュレーターを使えば、現在の基本手数料で何回分の送金でも計算できます。
ステラルーメンの送金手数料はいくら?
Stellarの手数料はstroopという単位で計算されます。1 stroopは0.0000001 XLM(10⁻⁷)で、レジャーが扱う最小単位です。SDFの手数料ドキュメントによると、最低手数料は1オペレーションあたり100 stroopです。1つのトランザクションには最大100個のクラシックオペレーションをまとめられるため、10人に一度に送金すると基本手数料の10倍がかかりますが、それでもわずか0.0001 XLMです。
Stellarの手数料モデルには一風変わった特徴があります。手数料は誰の手にも渡らないのです。手数料はロックされた手数料プールに入り、ドキュメントの言葉を借りればそのルーメンは「誰にも渡されず、誰にも使われない」ものです。バリデーターは手数料もブロック報酬も受け取りません。直近の確認時点で、このプールにはおよそ1,100万XLMがありました。手数料が収益源ではなくスパム対策として機能しているからこそ、ごくわずかな額のままでいられるのです。
実際に支払われている額はどうでしょうか。直近にHorizonのfee_statsエンドポイントを確認したところ、最も多く支払われていた手数料はちょうど100 stroopでした。中央値はそれより高く約3,483 stroop(およそ0.00035 XLM)でしたが、これはスマートコントラクトのトランザクションに追加のリソース手数料がかかり、平均を押し上げているためです。XLMを普通に送金するだけなら、基本手数料を見込んでおけば十分です。
サージプライシングと手数料の入札
メインネットの1つのレジャーには、最大1,000個のクラシックオペレーションと2,000件のスマートコントラクトのトランザクションが入ります。それを超える数が届くと、Stellarはサージプライシングに切り替わり、トランザクションは提示したインクルージョン手数料の高い順に並べられ、上位のものが取り込まれます。重要なのは、取り込まれたトランザクションはすべて、自分の上限額ではなく、その中で最も低い落札手数料を支払うという点です。つまり、混雑時に設定する高めの最大手数料は「ここまでなら払ってもよい」という上限であって、自動的にその額を請求されるわけではありません。通常はウォレットが自動で設定してくれます。
スマートコントラクトのSorobanリソース手数料
Sorobanスマートコントラクトを呼び出す場合は事情が異なります。手数料の合計は、インクルージョン手数料にリソース手数料を足したものです。リソース手数料は、CPU命令、レジャーの読み書き、トランザクションのサイズ、イベントと戻り値、保存データのレントをカバーします。使われなかったレント、イベント、戻り値の予算は返金されますが、CPU、読み書きのバイト数、帯域幅の分は返金されません。DeFiのスワップが単純な送金より目に見えて高くつくのはこのためです。とはいえ、どちらもブロックチェーンの基準からすれば小さな額です。
XLMの送金にかかる時間:スピードとファイナリティ
XLMの送金スピードは、レジャーの時計で決まります。SDFによるとコンセンサスは「通常約5秒」で成立し、直近の200レジャーをリアルタイムで確認したところ、平均は5.0秒でした。トランザクションは空きのある次のレジャーに取り込まれるため、通常であれば1〜2回のレジャー確定のうちに完了します。
より重要なのはファイナリティ(最終確定)までの時間です。StellarはStellarコンセンサスプロトコル(SCP)で動いています。これは連合ビザンチン合意(FBA)の一種で、各バリデーターが信頼する他のバリデーターを自分で選びます。SCPは、フォークするくらいなら停止するように設計されています。そのため、確定したレジャーが後から巻き戻されることはなく、確率的な承認回数を数える必要もありません。レジャーが確定した時点で、送金は最終的に確定します。
実際には、送金が遅いと感じる原因がネットワークにあることはまれです。よくあるのは、取引所の出金待ちの列、コンプライアンス上の確認、ウォレットの表示が更新されていないこと、そしてメモの入れ忘れです。送金が遅いと思ったら、トランザクションハッシュをXLMエクスプローラーに貼り付けてみましょう。確定済みのレジャーが表示されれば、ネットワーク側の処理は終わっています。
StellarのTPS:理論上の処理能力と実測値
StellarのTPS(1秒あたりのトランザクション数)ほど誤って引用される数字はほとんどありません。次の3種類の数字を分けて考えるのがコツです。
| 指標 | 数値 | 種類 |
|---|---|---|
| 処理能力の目標 | 5,000 TPS | SDFの目標(達成は未確認) |
| 公表された処理能力 | 2,000 TPS超 | 理論値(SDF、2025年第2四半期) |
| 持続負荷の最高記録 | 約211〜217 TPS | 実測値(第三者のトラッカー) |
| 通常時の負荷 | 約51件/秒 | 当サイトのHorizonサンプル(16分間) |
SDFはThe Road to 5,000 TPSでスケーリング計画を示し、その後、理論上の処理能力が2,000 TPSを超えたと報告しました。一方、メインネットで実際に観測された最も忙しい時間帯はもっと控えめです。CryptoSlateの報道によると、Chainspectは2026年9月中旬に100ブロックにわたって211 TPS超の持続負荷を記録し、その後の報道では217.4 TPSという数字も挙がっています。日常的には、当サイトのサンプルで1秒あたり約51件でした。「1,000 TPS」や「毎秒数百万件の決済」といった主張には注意が必要です。それらはベンチマークや推計であり、メインネットでの観測値ではありません。ネットワークはほとんどの時間、上限を大きく下回って動いており、だからこそ基本手数料で済むのが普通なのです。
最低残高とベースリザーブ:送れないXLMの正体
Stellarのすべてのアカウントは、ベースリザーブを単位とする最低残高を保持する必要があります。現在のベースリザーブは0.5 XLMで、アカウントにはその2つ分が必要なので、下限は1 XLMです。サブエントリーが1つ増えるごとに、さらに0.5 XLMが加わります。USDCを保有するためのトラストライン、DEXでの未約定の注文、追加の署名者、データエントリーなどです。ドキュメントには、サブエントリー3つとクレーム可能残高の受取人1つを持つアカウントには3 XLMが必要、という例が載っています。
ここから実用上の影響が2つ生まれます。アカウントを維持している限り、残高の全額を送ることはできません。そして新しいアドレスは、誰かが資金を入れるまでレジャー上に存在しません。オペレーション一覧にあるとおり、アカウントを有効化するには最低リザーブ以上を送るCreate Accountオペレーションが必要で、通常の送金オペレーションでは「宛先が存在しない」というエラーで失敗します。新しいウォレットを用意した場合は、たいてい取引所からの最初の入金でこれが処理されます。XLMの保管についてはStellarウォレットガイドで詳しく解説しています。
メモの種類と、取引所がメモを求める理由
Stellarのトランザクションには、メモを1つ付けられます。トランザクションに関するドキュメントでは、MEMO_TEXT(28バイトまでのテキスト)、MEMO_ID(64ビットの数値)、MEMO_HASH(32バイトのハッシュ)、MEMO_RETURN(返金対象のトランザクションを示す32バイトのハッシュ)の4種類が定義されています。一般ユーザーにとって重要なのは最初の2つだけです。
取引所は通常、入金アドレスとあわせてメモを求めます。多くは数値のMEMO_IDです。アドレスがマンションの建物、メモが部屋番号だと考えてください。部屋番号がなければ、あなたのXLMは誰も待っていない場所に届いてしまいます。
代わりにマルチプレックスアドレスを使うプラットフォームもあります。これは「G」ではなく「M」から始まり、顧客の識別子をアドレス自体に埋め込んでいるため(CAP-27)、別途メモを入力する手間がなくなります。Mアドレスが表示された場合は、そのまま貼り付けて構いません。
ステラルーメンの送り方:ステップごとの手順
LOBSTR、Varial(旧Freighter)、Stellarアプリを入れたハードウェアウォレットのどれでも、流れはほぼ同じです。安全に送るための手順はこちらです。
- 送金可能な残高を確認する合計ではなく、送金できる額を見ましょう。1 XLMに加え、トラストラインやオファーごとに0.5 XLMがリザーブとしてロックされるため、USDCなどのトークンを1つ持つたびに0.5 XLMが使えなくなります。
- 送付先アドレスとメモを用意する受取人の公開鍵(Gから始まる56文字、またはMアドレス)をコピーします。受取人が取引所ならメモもコピーし、それがIDメモかテキストメモかを確認します。アドレスを手入力するのは絶対にやめましょう。
- アドレスを照合する貼り付けたアドレスの最初と最後の5〜6文字を元のアドレスと見比べます。クリップボードを乗っ取るマルウェアはアドレスを密かにすり替えますし、Stellarの送金はレジャーが確定すると取り消せません。
- 金額・メモ・手数料を入力するXLMで金額を入力し、メモ欄にメモを貼り付けます。ウォレットが混雑を警告しない限り、手数料はデフォルトのままで構いません。まだ資金の入っていない新しいアドレスに送る場合は、アカウントを作成できるよう1 XLM以上を送ります。
- まずテスト送金をする高額の送金や、新しい取引所への初めての入金では、まず少額を送り、着金して残高に反映されたことを確認してから残りを送ります。追加の手数料は気にならないほどわずかです。
- レジャーで確認するトランザクションハッシュをコピーしてエクスプローラーで検索します。確定済みのレジャーで「成功」と表示されれば送金は完了しており、その後は受取側の処理時間です。
まだルーメンを持っていない方は、ステラルーメンの買い方で、日本を含むアジア各国でのカードや銀行振込による購入方法を紹介しています。
取引所の出金手数料がネットワーク手数料より高い理由
取引所の出金手数料が、ネットワークの最低手数料0.00001 XLMの何千倍にもなっていることがあります。これはネットワークが高いわけではありません。取引所が自社サービスの料金を設定しているのです。ホットウォレットの運用、出金の監視、コンプライアンス審査、カスタマーサポート、さらに初めて受け取る相手のために新しいアカウントを作るコスト(1 XLM以上が必要)も含まれることがよくあります。多くのプラットフォームは資産ごとに定額の出金手数料を設定し、ときどき見直しています。
少額を頻繁に動かすなら、購入先を選ぶ前に出金手数料を比べましょう。たとえばソウルで働きながら毎週セルフカストディ型ウォレットに入金している人は、まとまった額を一度だけ動かす人よりも、定額の手数料の重みをずっと強く感じます。いったん自分のウォレットに入れてしまえば、その後の送金にかかるのはネットワーク手数料だけです。だからこそ、多くの人は取引所を「保管場所」ではなく「入り口」として使っています。手数料のポリシーは変わるので、最新の手数料表を確認してください。
失敗したトランザクション:原因とかかるコスト
Stellarのトランザクションはアトミックで、1つのオペレーションが失敗するとトランザクション全体が巻き戻されます。ただし手数料だけは戻りません。SDFのアナリティクスのドキュメントには、インクルージョン手数料と返金されないリソース手数料はトランザクションが成功したかどうかにかかわらず請求されると書かれています。シンプルな送金なら、その損失は100 stroopです。
よくある原因は次のとおりです。
- 宛先が存在しない: 一度も資金が入っていないアドレスに通常の送金をした。代わりに1 XLM以上のアカウント作成の送金を使いましょう。
- 残高不足: 送金額と手数料を引くと、残高がリザーブを下回ってしまう。
- トラストラインがない: USDCなどのトークンを、そのトークンを受け入れる設定をしていないアカウントに送ろうとした。
- シーケンス不正・有効期限切れ: トランザクションが古くなっている。作り直して署名し直せば解決します。
古いシーケンス番号のように、レジャーに届く前にトランザクションが拒否されるのが普通の問題もあります。一方、レジャーが適用する段階で初めて表面化する問題もあり、その場合はエクスプローラーに失敗として表示され、何を直せばよいかを正確に示す結果コードが付きます。トラストライン、シーケンス番号、リザーブといった用語が初めての方は、Stellar用語集をご覧ください。
XLMと銀行の海外送金:比較から本当に分かること
「Stellarは5秒、銀行は数日」と言いたくなりますが、Swift自身のデータはもう少し複雑です。2024年10月のレポートでSwiftは、同社ネットワーク上の国際送金の90%が1時間以内に受取銀行に届く一方、1時間以内に最終受取人の口座に入金されるのは43%にとどまると述べています。2025年9月の更新では、75%の送金が10分以内に受取人の銀行に届くとしつつ、国によっては最終的な入金に1日以上かかる場合があるとも指摘しています。
正直な比較をするとこうなります。XLMの送金は、曜日を問わず約5秒で2つのアカウント間で決済され、ネットワーク手数料は1セントにも満たない額です。一方、銀行送金には仲介銀行、締め時間、1件ごとの手数料がかかります。ただしStellarでも「ラストワンマイル」はなくなりません。誰かがルーメンやStellar上のステーブルコインを現地通貨に換える必要があり、そこには独自の手数料やスプレッドがかかります。送金ルートごとのコストや、暗号資産と現金をつなぐアンカーについては、Stellarによる国際送金のガイドで詳しく解説しています。
XLMと最も近い存在と比べるとどうなのか気になる方は、ステラルーメンとリップル(XRP)の違いをお読みください。stroopを自国通貨に換算したいときは、XLMのリアルタイム価格が便利です。
よくある質問
ステラルーメンの送金手数料はいくらですか?
ネットワークの最低手数料は1オペレーションあたり100 stroop(0.00001 XLM)で、シンプルな送金は1オペレーションです。手数料がこれを上回るのは、レジャーが満杯になってサージプライシングが発動したときか、リソース手数料のかかるスマートコントラクトを呼び出したときだけです。取引所からの出金では、通常これとは別に、より高い取引所独自の出金手数料がかかります。
XLMの送金にはどのくらい時間がかかりますか?
Stellarのレジャーは約5秒で確定し、トランザクションはそのレジャーが確定した時点で最終的なものになります。追加の承認を待つ必要はありません。取引所から送る場合は、ブロードキャストされる前の取引所内部の処理に、数分以上かかることがあります。
取引所にXLMを送るとき、なぜメモが必要なのですか?
取引所は1つのStellarアドレスを多くの顧客で共有していることが多く、メモを使って誰の入金かを判断しています。メモがない、または間違っていると、取引所への入金が遅れたり失われたりするおそれがあるため、取引所が指定するメモを必ずコピーしてください。個人のウォレットでは通常メモは不要です。
XLMの残高を全額送金できないのはなぜですか?
Stellarのすべてのアカウントは、最低残高として1 XLM(0.5 XLMのベースリザーブ2つ分)に加え、トラストライン、オファー、署名者、データエントリーごとに0.5 XLMを保持する必要があります。この予約分は、アカウントがある限り送金できません。ウォレットでは通常「ロック中」や「リザーブ」として表示されます。
Stellarのトランザクションが失敗しても手数料はかかりますか?
失敗したトランザクションでもレジャーに取り込まれた場合は、インクルージョン手数料が請求され、スマートコントラクトの返金されないリソース手数料もかかります。通常の送金なら金額はごくわずかです。失敗の理由はStellarエクスプローラーで結果を確認しましょう。



