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台湾のステラルーメン(XLM):まず結論から
ステラルーメン(XLM)は、台湾でも合法的に保有・売買できます。壁になっているのは法律ではなく実務の面です。直近の確認時点で、CoinGeckoのデータにはXLM/TWD(台湾ドル建て)の市場が世界のどこにもありませんでした。しかも、確認できた台湾の大手取引所2社、BitoProとMAXは、そもそもXLMを上場していませんでした。両社ともXRPは台湾ドル建てで扱っているだけに、XLMがないのはいっそう目立ちます。つまり「台湾でXLMを買う」と検索した人への正直な答えは、確認した限り、台湾ドルでXLMを売っている登録済みの国内業者はない、ということです。
ルールも移行期にあります。プラットフォームはマネーロンダリング対策を目的として金融監督管理委員会(FSC、金管会)に登録されていますが、本格的な認可制度を定める仮想資産サービス法が適用されるのは2027年以降です。上のリアルタイムウィジェットは、世界市場のXLM価格を参考値として台湾ドルに換算したもので、現地の市場価格ではありません。詳しいチャートはXLMの価格ページ、近隣の市場はアジアのハブページをご覧ください。
「恆星幣」「XLM」など台湾の検索キーワード
ステラルーメンの繁体字中国語での名前は「恆星幣」(héngxīng bì)で、意味はシンプルに「恒星のコイン」です。中国本土やマレーシア、シンガポールの簡体字の文章では「恒星币」と書かれます。ところが、台湾でこの名前を実際に入力する人はほとんどいません。台湾のキーワードデータでは、「恆星幣」の検索数は月30回ほどにとどまり、「XLM」や「Stellar」はその何倍も検索されていて、「XLM 幣」(XLMコイン)はその中間でした。台湾の暗号資産ユーザーも、アジアの多くの国と同じく、ティッカーで考えているのです。
台湾のニュースや取引所アプリを読むときに役立つ現地の言葉もいくつか紹介しましょう。「加密貨幣」は暗号資産を指す中立的な言葉で、日常会話では「虛擬貨幣」(仮想通貨)も同じくらいよく使われます。法律用語は「虛擬資產」(仮想資産)と「虛擬通貨」(仮想通貨)です。暗号資産プラットフォームは「虛擬資產服務商」(仮想資産サービス事業者)と呼ばれ、VASPや「幣商」と略されることもよくあります。規制当局は「金管會」、つまりFSCで、現地通貨は「新台幣」(新台湾ドル)です。取引所は「交易所」、ウォレットは「錢包」、ステーブルコインは「穩定幣」です。英語側の用語は、メモやトラストラインも含めてStellar用語集にまとめています。
台湾で暗号資産は合法か:現在のFSC登録制度
短く答えると、合法です。暗号資産の保有と売買は認められており、台湾の顧客にサービスを提供するプラットフォームは監督を受けています。ただし、ここでいう「監督」は、現時点ではマネーロンダリング対策のための登録であって、本格的なライセンスではありません。
マネーロンダリング防止法にもとづくAML登録
FSCは2021年から、マネーロンダリング防止法(「洗錢防制法」)のもとで、暗号資産プラットフォームをマネーロンダリング対策の観点から監督しています。日々の監督を担うのは傘下の証券先物局です。2023年9月にはFSCがプラットフォーム向けに10項目の指導原則を出し、透明性、顧客資産の分別管理、内部統制などを定めました。2024年の法改正で登録が義務化され、登録せずにVASPを運営すると最長2年の懲役が科されるおそれがあります。既存の事業者は2025年3月31日までに申請しなければならず、未登録の事業者は2025年4月1日から顧客へのサービスを停止する必要がありました。
2025年9月22日に公表された最初の登録一覧には9社が名を連ね、MaiCoin(同じグループがMAX Exchangeも運営)、BitoPro、HOYA BIT、XREXなどが含まれていました(TechNewsの報道)。その後、社数は変わっています。HzBitは2026年1月に営業を停止し、2026年9月3日に2社が追加され、同月中にBitstreetXも加わって、FSCの発表を伝える報道によると登録VASPは11社になりました。社数を見かけたら、いつ時点の数字なのかを必ず確認しましょう。
候補リストに決して入れるべきでないのがACE Exchangeです。登録をせず、2025年4月に暗号資産サービスを停止し、経営陣は詐欺とマネーロンダリングの事件で起訴されています(Blocktempoによる)。利用者からは出金が凍結されたとの報告がありました。
仮想資産サービス法:成立したが未施行
2026年6月30日、立法院は仮想資産サービス法(「虛擬資產服務法」)を第三読会で可決しました(The Blockの報道)。単なる登録制に代えて、取引所やカストディから貸付まで7種類のサービスにFSCの認可制を導入するものです。上場審査、顧客資産の分別保管、サイバーセキュリティ、民事責任に関するルールも加わります。詐欺や相場操縦には3〜10年の懲役と、NT$1,000万〜NT$2億の罰金が科されます。ステーブルコインの発行者は、中央銀行の事前同意を得たうえでFSCの承認を受ける必要があり、準備資産も全額を国内で保有しなければなりません。
同法はまだ9本の施行規則を必要としており、FSCは施行を早くても2027年第1四半期と見込んでいます(工商時報(CTEE)による)。施行後、登録済みのプラットフォームには認可申請まで12か月、認可取得まで21か月の猶予が与えられ、その間も営業を続けられます。
| 項目 | 現在 | 新法のもとで |
|---|---|---|
| プラットフォームの地位 | FSCへのAML登録 | FSCの認可が必要 |
| 上場ルール | 業界の自主規制 | 法定の上場審査 |
| 顧客資産 | 指導原則 | 分別保管を法律で義務化 |
| ステーブルコイン | 個別の制度なし | FSCの承認と中央銀行の同意 |
業界団体は2026年3月に「虛擬資產服務商業同業公會」(仮想資産サービス事業者の業界団体)へと名称を変え、上場審査、規律、詐欺対策の委員会を運営しています。台湾のアプローチを他国と比べたい方は、規制と安全性の解説ページをご覧ください。
トラベルルールと出金制限
2026年10月から、国内のVASP間で行うNT$30,000以上の送金には、個人の場合、送金人の生年月日と住所を添えることが必要になりました(Anueの報道)。海外取引所との送受金も、2027年末までに対象になる見込みです。実際には、送金先アドレスの所有者や、そのアドレスがどのプラットフォームのものかをアプリで尋ねられると考えておきましょう。
独自にさらに踏み込むプラットフォームもあります。HOYA BITは2025年11月1日から、出金先をFSC登録の取引所か、CoinMarketCapの上位30位に入る取引所だけに限っています(Blocktempoによる)。個人ウォレットにコインを移すつもりなら、先に利用中のプラットフォームのルールを確認してください。
台湾の暗号資産の税金
台湾には暗号資産に特化した税法はありません。財政部は2025年1月の立法院への報告で、既存のルールがどう適用されるかを示しました。個人の場合、有価証券に該当しない仮想通貨の利益は財産取引所得(「財產交易所得」)とされ、総合所得税に合算されて5〜40%の累進税率で課税されます。有価証券に分類されるトークンは証券取引所得税の対象ですが、この税は現在停止されています。
海外プラットフォームで得た利益は海外所得となるため、台湾の代替ミニマム税である所得基本税額条例(「最低稅負制」)のルールで計算されます。現在の基準額は確認できなかったため、ここでは示しません。執行は実際に行われています。2024年12月までに、税務当局は約NT$1億3,000万の暗号資産所得の申告漏れを見つけ、税金と罰金で約NT$3,400万を徴収しました(Liberty Times(自由時報)の報道)。取引はすべて台湾ドル建てで記録しておき、申告前には財政部の国税局や税理士に確認しましょう。
台湾でXLMを買うには:XLM/TWD市場がない理由
多くのガイドが触れないのがここです。直近に取得したCoinGeckoのXLM市場一覧では、200を超えるティッカーが米ドル、ウォン、ユーロ、リラなど数多くの通貨をカバーしていましたが、XLMを台湾ドル建てで提示しているものは1つもありませんでした。BitoProの公開APIには35の取引ペアがありましたが、XLMを含むものはありません。CoinGeckoに載るMAXの市場は47ペアで、XRP、ADA、DOGEはあってもXLMはありませんでした。CoinGeckoのMAXの一覧は不完全な可能性があるので、MAXを使っている人はアプリで確認してください。HOYA BITとXREXについては、どちらとも確認できませんでした。
では、台湾の人はどうやってXLMを手に入れているのでしょうか。一般的には2段階です。まず登録済みのプラットフォームで、台湾ドルを使ってUSDTなどのステーブルコインを買います。USDT/TWDはごく標準的な市場です。次に、XLM/USDTペアのあるプラットフォームでそれをXLMに替えます。実際には、これが海外の取引所であることが多いのです。注意が必要なのはこの2段階目です。現行ルールでは、台湾のユーザーを勧誘する海外プラットフォームは、FSCに現地法人か支店を登録しなければなりません。さらにFSCは、新法が適用されれば無認可のプラットフォームは違法になるとしています(Business Nextの報道)。当サイトは、未登録のプラットフォームを台湾居住者にすすめることはしません。
台湾の取引所レビューでは、登録済みの各プラットフォームのXLMの取扱い状況を確認しています。基本的な手順はステラルーメンの買い方ガイドで、自分でXLMを保管するならStellarウォレットのガイドでセルフカストディの選び方を紹介しています。
台湾の外国人労働者、送金、そしてStellar
台湾は送金を送り出す側の経済です。台湾の政府オープンデータポータルで公開された労働部のデータによると、2026年3月末の外国人労働者は過去最多の約87万3,000人でした。約37%がインドネシア、34%がベトナムの出身で、フィリピンとタイが続きます。台中で働く介護士が毎月給料の一部を中部ジャワに送ったり、桃園の工場で働く人がハノイ近郊の家族を支えたりする姿を思い浮かべてください。手数料はすべて、家族に届く金額から差し引かれます。
これこそStellarが想定してきた送金ルートです。たとえば、Stellar上のUSDCを現金で入出金できるMoneyGramのサービスは、2022年に最初の対象市場のひとつとしてフィリピンを挙げていました。アンカーが現地のお金をトークンに替え、また戻す仕組みは国際送金ガイドで解説しています。受け取る側については、インドネシアのガイドでルピア建てのXLM取引の場を、ベトナムのガイドでベトナムの試験運用市場で何が認められているかを紹介しています。なお台湾は世界銀行の加盟国ではないため、世界銀行の一般的な送金統計には含まれていません。
ここではっきり言っておきます。台湾に特化したStellarの動きは見つかりませんでした。SDFの提携も、Stellarのアンカーも、Stellar上の台湾ドル建てステーブルコインも、台湾でのSDFのイベントも、調べた限りありません。地域全体で見ると、SDFは2026年2月のConsensus Hong KongでStellar対応のTopNodウォレットを発表し、2026年10月にはシンガポールのMarketnodeに出資しましたが、どちらも台湾に直接関わるものではありません。
台湾でXLMを安全に扱うために
まずは登録状況の確認から始めましょう。台湾ドルをどこかに入金する前に、そのプラットフォームがFSCの登録VASPに含まれていて、いまも営業していることを確かめてください。HzBitの撤退やACEの破綻が示すように、古い一覧にある名前が消えることもあります。アプリは公式ストアからだけダウンロードし、ウェブのアドレスは自分で入力しましょう。
登録プラットフォームの外でXLMを現金や銀行振込で売ろうとする人や、メッセージアプリで確実なリターンを約束する「投資グループ」には警戒してください。どちらも詐欺やマネーロンダリング捜査に巻き込まれる典型的なルートで、トラベルルールによって、説明のつかない送金はむしろ目立つようになります。本物のプラットフォームやウォレットが、リカバリーフレーズを尋ねることは決してありません。
XLMを取引所に送るときは、表示されたメモを正確にコピーしましょう。メモがないと、入金が遅れたり失われたりすることがあります。まずは少額でテストし、新しいStellarアカウントの有効化には最低1 XLMが必要なことも覚えておいてください。メモの仕組みはXLMの手数料と送金スピードのページで解説しています。最後に、リスクは冷静に見積もりましょう。XLMは価格変動が大きく、このページの内容は投資助言ではありません。大きく値下がりしても困らないお金だけを充ててください。
よくある質問
台湾で暗号資産は合法ですか?
はい。暗号資産の保有と売買は合法で、台湾のユーザーにサービスを提供するプラットフォームは、マネーロンダリング対策のために金融監督管理委員会(FSC)への登録が必要です。登録せずに営業すると最長2年の懲役が科されるおそれがあります。本格的な認可制度を定める仮想資産サービス法は2026年6月30日に成立しましたが、2027年第1四半期より前に施行される見込みはありません。
台湾では暗号資産にどう課税されますか?
暗号資産に特化した税法はありません。財政部は、有価証券に該当しない仮想通貨で個人が得た利益を財産取引所得として扱い、5〜40%の累進税率で所得税を課しています。海外プラットフォームで得た利益は、所得基本税額条例のルールのもとで海外所得として計算されます。申告前に財政部の国税局や税理士に確認してください。
台湾ドルでXLMを買えますか?
直近の確認時点では、直接は買えません。CoinGeckoには世界のどこにもXLM/TWD市場がなく、BitoProの公開APIにもXLMのペアはなく、CoinGeckoのデータではMAXにもXLMはありませんでした。買い手にとってこれが何を意味するかは台湾の取引所レビューで解説しています。
「恆星幣」とはどういう意味ですか?
「恆星幣」(héngxīng bì、直訳すると「恒星のコイン」)は、ステラルーメン(XLM)の繁体字中国語での呼び名です。中国本土やマレーシアの中国語の文章では「恒星币」と書かれます。ただ実際には、台湾の人が検索するのは中国語名よりも「XLM」や「Stellar」がほとんどです。
台湾の新しい暗号資産法はもう施行されていますか?
まだです。仮想資産サービス法は2026年6月30日に第三読会を通過しましたが、9本の施行規則が必要で、FSCは施行を早くても2027年第1四半期と見込んでいます。それまで台湾のプラットフォームは、認可ではなくマネーロンダリング対策のための登録を受けている状態です。



