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マレーシアのXLM:結論から
マレーシアでは、ステラルーメン(XLM)を合法的に売買・保有でき、しかもリンギットで直接取引できます。暗号資産(仮想通貨)の取引所はマレーシア証券委員会(SC)にデジタル資産取引所として登録する必要があり、最新の確認時点では、登録された5社のうちLunoとHataの2社がXLM/MYRマーケットを運営していました。暗号資産は法定通貨ではなく、所得税がかかるかどうかは、LHDNがあなたの活動を「売買」と見るか「長期投資」と見るかで決まります。マレーシア・リンギット建てのXLMのリアルタイム価格は上のウィジェットで、米ドル建ての詳しいチャートはXLM価格のページで確認できます。
ただ、マレーシアにおけるStellarの本当の見どころは、個人の売買ではありません。2026年2月、Kenanga GroupがStellarブロックチェーン上に構築したプラットフォームで、イスラム型ファンドを含むマレーシア初のトークン化MMFを立ち上げました。以下では、市場の規模、SCのルール、マレーシア中央銀行のスタンス、税金、入金方法、海外送金、安全対策を順に解説します。近隣の市場についてはアジアハブをご覧ください。
マレーシアでのXLM価格とXLM/MYR市場
上のウィジェットは世界のXLM価格をリンギットに換算したものですが、実際に支払う価格は、利用する取引所の板で決まります。そして、XLMのリンギット建ての板はかなり小さいのが実情です。
CoinGeckoのXLMマーケット一覧を最新の確認時点で集計したところ、追跡されている215のマーケットで24時間に約9,100万ドル分のXLMが取引されていました。そのうちリンギット建てのペアは約1万ドル、割合にして約0.01%にすぎません。ほぼすべてがLunoでの取引で、HataのXLM/MYRマーケットの取引額はわずか約75ドルでした。対照的に、USDT建てのペアは世界のXLM取引高の約77%を占めています。
数百リンギット程度の購入なら、板の薄さが問題になることはまずありません。一方、注文が大きくなるとスプレッドや板の厚みが効いてきて、成行注文で価格を動かしてしまうこともあるので、板を確認し、アプリの提示価格とウィジェットを見比べましょう。とはいえ、規制下の市場全体は決して小さくありません。SCによると、登録取引所での2025年の取引額は171億4,000万リンギットで、2024年の139億3,000万リンギットから増えています。XLMはそのごく一部というわけです。普及度ランキングでは、マレーシアはChainalysisの2025年版・2026年版いずれでも公開されたトップ20に入っておらず、正確な順位は確認できませんでした。
マレーシアで暗号資産は合法? SCによるデジタル資産規制
合法です。マレーシアは暗号資産のための新しい法律をつくるのではなく、既存の証券法の枠組みにデジタル資産を取り込みました。
デジタルトークンは証券:2019年の指定命令
2019年1月15日に施行されたCapital Markets and Services (Prescription of Securities) (Digital Currency and Digital Token) Order 2019は、デジタル通貨とデジタルトークンを証券に指定しています。これにより両者は2007年資本市場サービス法(CMSA)の対象となり、その市場を運営するにはSCの承認が必要になりました。官報へのリンクは、SCの登録取引所リストのページに掲載されています。
RMO-DAX:暗号資産取引所を運営できるのは誰か
取引所は、SCのGuidelines on Recognized Marketsに基づき、Recognized Market Operator – Digital Asset Exchange(RMO-DAX)として登録しなければなりません。2026年7月20日に更新されたSCのリストには、HATA Digital、Luno Malaysia、MX Global、SINEGY DAX、Kinetic DAX(KDX)の5社が載っています。KDXは旧Tokenize Malaysiaです。古いガイドやSCの発言で取引所の数が3社や6社とされていることもありますが、SCの表を基準にしてください。2024年に原則承認を受けたTorumは、最新の確認時点でこの表に載っていませんでした。
SCは2026年5月20日にこのガイドラインを改訂し、即日施行しました。承認手続きを効率化し、登録取引所が新しい商品をより早く出せるようにする一方、財務・株主構成・経営陣に関する要件を引き上げ、顧客資産の保護も強化しています。取引所は2026年中に金融市場オンブズマン・サービス(FMOS)に加盟することになっており、利用者には紛争解決の正式な窓口ができます。SCはあわせてETFのルールも改め、デジタル通貨ETFを認めました。
取引所が上場できる銘柄
長年、登録取引所が銘柄を上場するには、1銘柄ずつSCの承認が必要でした。2025年末の報道では承認済みのトークンは19銘柄で、2026年からは取引所が自社のガバナンス手続きに基づいて上場を判断できるようになるとされていました。XLMを買う人にとっての判断基準はシンプルです。登録取引所がXLM/MYRマーケットを運営していれば、規制の枠内で取引していることになります。現在のLunoとHataがまさにそうです。
投資家警告リストと取り締まり
SCは、無許可のウェブサイト、事業者、個人をまとめたInvestor Alert List(投資家警告リスト)を公開しています。どこかに入金する前に必ず確認しましょう。SCは、登録なしでマレーシアの利用者にサービスを提供する海外取引所に対して措置をとってきました。2021年にはBinanceとHuobiが対象になり、2024年12月にはBybitを公に譴責し、マレーシア向けのウェブサイト、アプリ、Telegramグループの閉鎖を命じています。2026年にはさらに4つの未登録取引所に措置をとり、4月14日からはGoogleと協力して、これらの業者によるマレーシア向けの広告を制限しました。マレーシアのモデルとほかの国との比較は、規制と安全対策のガイドで解説しています。
マレーシア中央銀行:法定通貨ではないが、ステーブルコインには注目
お金そのもののルールを決めるのは、マレーシア中央銀行(Bank Negara Malaysia、BNM)です。BNMは2014年の声明で、ビットコインはマレーシアの法定通貨として認められておらず、中央銀行はその運営を規制していないと述べました。この立場はいまも変わっていません。XLMを資産として保有することはできますが、法定通貨はリンギットだけで、取引所を監督するのはSCです。
一方でBNMは、トークン化されたお金の研究を進めています。BNMのDigital Asset Innovation Hubでは、リンギット建てステーブルコインとトークン化預金のサンドボックス実証が行われています。2026年2月、総裁はステーブルコインやデジタル資産に関する申請を30〜35件ほど受け取ったと述べ、2026年末までにリンギット建てステーブルコインについての方針を明確にする考えを示しました(The Starの報道)。これらの実証でStellarが使われているという報道はありません。
マレーシアの暗号資産税制:LHDNの考え方
マレーシアには暗号資産に対する一般的なキャピタルゲイン課税はありませんが、だからといって非課税というわけではありません。内国歳入庁(LHDN、HASiLとも呼ばれます)は2025年12月5日、Guidelines on the Tax Treatment of Digital Currencyの第2版を公表し、旧版を置き換えました。最大のポイントは、あなたが「事業として売買しているかどうか」です。
頻繁で利益目的の売買による利益は事業所得とみなされる可能性があり、その判断には、取引の頻度、保有期間、意図といった古典的な「badges of trade(取引の目安)」が使われます。マイニング収入とデジタル通貨で受け取った支払いも課税対象です。純粋な長期投資、事業ではない単発の売却、個人的な利用は、一般に課税されません。金額はリンギットで評価し、取得原価は先入先出法(FIFO)で計算し、記録を残すことが求められています。
LHDNの目も厳しくなっています。2026年には警察やCyberSecurity Malaysiaと合同で「Ops Token」作戦を行い、クランバレーの10カ所を訪問しました。theSunによると、LHDNの最高責任者は、マレーシアで暗号資産を売買する個人には所得税の納税義務があると述べています。私たちの率直なアドバイスはこうです。マレーシアでは、事業として売買しているかどうかによって暗号資産の利益に課税される可能性があります。すべての記録をリンギット建てで保管し、申告前にLHDNのガイダンスを確認するか、税理士に相談してください。
マレーシアでリンギットを使ってXLMを買う方法
規制の枠内でXLMを買うなら、XLMを扱うSC登録取引所を選び、本人確認を済ませてリンギットを入金します。最新の確認時点では、XLM/MYRマーケットを持つLunoかHataが該当しました。第三者のまとめ記事ではKDXでもXLMを扱っているとされていますが、KDX自身のページでは確認できませんでした。MX GlobalとSINEGYでXLMを扱っている形跡は見つかりませんでした。プラットフォームごとの詳細はマレーシアの取引所レビューで、基本的な流れはステラルーメンの買い方ガイドで解説しています。
入金は通常、FPXを使います。マレーシアの人なら公共料金の支払いでおなじみの、オンラインバンキングの決済ゲートウェイです。Lunoは2020年からFPXによる即時入金に対応し、2023年にはTouch ‘n Go eWalletからの入金も加えました。HataもFPXに対応しており、銀行口座の名義がHataのアカウント名と一致している必要があります。どちらの取引所でもDuitNowでの入金は確認できなかったので、アプリの入金画面を確認してください。FPXは通常すばやく反映されますが、Lunoでは2026年10月にFPXの断続的な障害が報告されています。「即時」は基本であって、保証ではありません。
長く保有するつもりなら、セルフカストディ型のウォレットにXLMを移すことも検討しましょう。選択肢はStellarウォレットガイドで解説しています。なお、Stellarの開発者向けドキュメントによると、新しいStellarアカウントには最低残高として1 XLM以上が必要です。
海外送金:送り出し国マレーシアと、Stellarの実際の役割
マレーシアは大きな送金送り出し国です。世界銀行のデータによると、マレーシアから海外へ送られた個人送金は2025年に約138億3,000万ドルで、2024年の111億2,000万ドル、2023年の96億5,000万ドルから増えています。その多くは、インドネシア、バングラデシュ、ネパールなどから来た大勢の外国人労働者によるものですが、送金ルートごとの内訳は確認できていません。
ジョホールの建設現場で働く男性が、給料の一部をロンボク島の実家に送る場面を想像してみてください。Stellarはまさにこうした送金のために設計されています。台帳は約5秒で確定し、ネットワークの基本手数料は0.00001 XLMです。アンカーが現地通貨をUSDCなどのトークンに換え、また現地通貨に戻す仕組みは、海外送金ガイドで解説しています。問題は「ラストワンマイル」です。マレーシアには稼働中のStellarアンカーも、Stellar上のリンギット建てステーブルコインも見つからず、ルピアやタカで払い出すStellarアンカーもありませんでした。Stellar開発財団(SDF)はインドネシア、フィリピン、ベトナムでのアンカーネットワークの計画に触れていますが、それは計画であって、サービスではありません。
では、LunoでXLMを買ってインドネシアの取引所に送り、ルピアで売ることはできるでしょうか。インドネシアのガイドで紹介しているように、インドネシアにはXLM/IDRマーケットを持つプラットフォームが複数あるので、技術的には可能です。しかし、スプレッドを2回払い、価格変動リスクを抱え、両国で本人確認済みの口座が必要になり、さらにインドネシアの暗号資産売却税もかかります。いまのところ、認可を受けた送金サービスのほうが現実的なルートです。
マレーシアのStellar:KenangaのMyrraとトークン化ファンド
マレーシアで最も具体的なStellarの動きは、伝統的な金融機関から生まれています。2026年2月26日、Kenanga GroupとStellar開発財団は、Stellarブロックチェーン上に構築したトークンプラットフォームMyrraを発表しました。最初の商品は、Kenanga Investorsが運用するKenanga Money Market Fund(KMMF)とKenanga Islamic Money Market Fund(KIMMF)で、マレーシアで初めて稼働したトークン化ユニットトラスト(投資信託)と説明されています。トークンはファンドの1口に対して1対1で発行され、投資家はMyrraのウェブポータルで売買します。この仕組みについてはトークン化のガイドで詳しく解説しています。
イスラム教徒が多数を占める市場にとって、イスラム型ファンドの存在には意味があります。KenangaはKIMMFをシャリーアの原則に沿ったファンドと説明しており、シャリーア適合の商品がStellarのレール上で動かせることを示しました。ただしこれはファンドについての話で、XLMそのものについてではありません。XLMを対象としたシャリーア認証やファトワは見つからなかったので、気になる方は資格のあるシャリーア・アドバイザーに相談してください。また、Kenangaは2026年3月に出資比率を81.70%に引き上げ、5つの登録取引所のひとつであるKDXを傘下に収めています。ただし、KDXとKenangaの関係がXLMの取引に及んでいることを示す証拠は見つかりませんでした。
現地の検索ワード:まず英語、次にマレー語
マレーシアの人は暗号資産をおもに英語で検索するので、よく使われるのは「xlm price」「xlm myr」「stellar lumens malaysia」といったフレーズです。ニュースや公的文書、アプリのメニューにはマレー語も登場し、その多くはインドネシア語と重なります。覚えておくと便利な言葉をいくつか紹介します。
- Harga XLM:XLMの価格。インドネシアと同じ言い方です。通貨はRinggitまたはRM。
- Aset digitalとmata wang digital:デジタル資産とデジタル通貨。SCやLHDNの資料で目にする用語です。
- Cukai:税金。「cukai kripto」のように使います。Pelaburanは投資のこと。
- Dompet:ウォレット。多くのアプリでは英語のままの「wallet」も使われています。
- Patuh Syariah:シャリーア適合。イスラム金融商品で確認したい表示です。
マレーシアでXLMを安全に扱うために
まずはSCのリストから始めましょう。その取引所はデジタル資産取引所の登録簿に載っているか、そして投資家警告リストに載っていないか。未登録のプラットフォームはマレーシア向けのアプリやウェブサイトの閉鎖を命じられることがあり、そうなると利用者は慌てて資金を移すはめになります。2026年4月からは未登録取引所の広告も目にしにくくなっているはずなので、SNSで見かける派手なプロモーションは警告サインと考えてください。
暗号資産は詐欺の格好のエサです。「Stellarプロジェクト」で確実に儲かるとうたうTelegramやWhatsAppのグループには注意し、リカバリーフレーズは決して人に教えないでください。本物の取引所、ウォレット、Stellarのチームメンバーがそれを尋ねることは絶対にありません。XLMを別の取引所に送るときは、取引所が入金を反映させるのに使うメモを正確にコピーし、まず少額でテストしましょう。メモの仕組みはXLMの送金手数料とスピードのページで説明しています。最後に、XLMは値動きの大きい資産です。このページの内容は投資助言ではありません。大きく値下がりしても困らない範囲で購入してください。
よくある質問
マレーシアで暗号資産は合法ですか?
合法です。暗号資産の売買や保有は認められており、2019年の命令によりデジタルトークンは証券として扱われるため、取引所は証券委員会(SC)にデジタル資産取引所として登録する必要があります。ただし法定通貨ではありません。マレーシア中央銀行(BNM)は2014年から、ビットコインは法定通貨として認められていないとの立場をとっています。
マレーシアでは暗号資産に税金がかかりますか?
取引のしかた次第です。LHDN(内国歳入庁)のデジタル通貨に関するガイドラインでは、頻繁で利益目的の売買による利益、マイニング収入、暗号資産で受け取った支払いは課税対象となる一方、純粋な長期投資としての保有は一般に課税されません。記録はリンギット建てで残し、申告前にLHDNのガイダンスを確認するか税理士に相談してください。
マレーシアでXLMを買うにはどうすればいいですか?
XLMを扱う、証券委員会に登録済みの取引所で口座を開きます。最新の確認時点では、LunoとHataの両方がXLM/MYRマーケットを運営していました。本人確認を済ませ、自分名義の銀行口座からFPXでリンギットを入金して購入します。登録済みの全プラットフォームはマレーシアの取引所比較でレビューしています。
マレーシアのXLM価格がアプリごとに違うのはなぜですか?
取引所ごとに独自のXLM/MYRの板があり、しかもリンギットの流動性が薄いため、LunoやHataの直近の約定価格は、世界のドル建て価格をリンギットに換算した値より少し高かったり安かったりします。大きな注文の前には、アプリの価格とこのページのリアルタイムウィジェットを見比べてください。
Stellarを使ってマレーシアからインドネシアやバングラデシュに送金できますか?
技術的には、XLMを海外のプラットフォームに数秒で送れます。ただし、ルピアやタカで払い出す稼働中のStellarアンカーは見つからず、Stellar上のリンギット建てステーブルコインもありませんでした。価格変動リスクを抱え、送る側と受け取る側の両方でスプレッドを払うことになるため、多くの労働者にとっては認可を受けた送金サービスがいまも現実的な選択肢です。


